倉知小学校等複合化施設の整備
PPP/PFI サウンディング調査(ヒアリング)
提言書 2024.11
- 提 言
- 倉知「段下」- 地名と断層〈考察〉
- 倉知段下 現況写真1
- 倉知段下 現況写真2
- 倉知段下 現況写真3
- 土地改良前の耕地 倉知用水・段下地区ほか
- 倉知村・関村 論地絵図面 貞享5年(1688)
- 世界かんがい施設遺産 曽代用水 農業用水の歴史を訪ねて
- 液状化マップ 関市 中部
- 関町土地宝典(段下・巾) 昭和14.4
- 航空写真1 倉知小学校~江南関線(Googleマップ)
- 航空写真2 「段下」周辺(Googleマップ)
- 航空写真3 「段下」と梅原断層・副断層〈仮定〉(Googleマップ)
- 航空写真4 曽代用水杁之戸分水と「段下」(Googleマップ)
- 参考 段下・濃尾地震関連資料 リスト
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倉知小学校等複合化施設の整備
〈 提 言 〉
1. 現状「基本設計案」
(1)配置計画
1)敷地北側
南側との段差部にRC4階建(1F ふれあいセンター・学校関連機能、2~4F 小学校用途)
校舎北側にメイン駐車場、東側に職員駐車場、北西に既存体育館
2)敷地南側
中央にグラウンド、東に既存プール、西北に来客等*駐車場
(2)建築計画
1F を南エリア(グラウンド)レベル、2F を北側エリア(メイン駐車場)レベルとし、敷地段差利用 平面計画は効率の中廊下型
2. 現案への意見
(1)ヴィジョン・コンセプト
楽しいのびのびとした時間・空間を共有し豊かな人間性が育まれる “これからの新しい学校建築” という 「希望・夢」のヴィジョンが見られない
ふれあいセンター合築複合用途としての機能空間性・将来対応性を期待させるコンセプト、イメージが 感じられない
(2)建築計画
1)安全性;断状(断層*)直上で大地震時危ない (小学校;指定避難所)
2)経済性;仮設建設費用は濫費ではないか(SDGs に逆行)
3)機能性;現状建物位置ありきの配置計画は、現環境における用途に相応しい建築計画の可能性を 矮小化している
・高層化/RC4階建て(1F ふれあいセンター、2~4F 小学校、中廊下型)は、機能性が 過剰(環境立地は都会の狭小敷地ではない)
・平面計画(何十年前の設計資料集成/中廊下型)は規模算定(補助金申請*)そのまま
・空間計画の魅力や未来性が感じられず、国内模範実例等の学び・習得がない
・北側メイン駐車場配置は、アクセスの道路巾が狭く車のすれ違い困難
・プールは、老朽化による維持管理費増の一方、熱中症アラートで利用減。教師の負担も考慮し、 外部民間委託の傾向が全国的に見られるため、前提条件としない
4)人間性;情操教育の空間性や時代性(ゆとりの空間・コモンスペース、個の尊重等)の夢がない
合築(ふれあいセンター)の交流や、少子高齢化=人口減のフレキシブルな対応性(未来性) への訴求があまり感じられず、わくわく感がない
3. 立地性 [参考 資料1、2、3]
〈genius loci = ゲニウス•ロキ;「土地の雰囲気」や「土地柄」、建築における場所性を重要視する考え方〉
(1)倉知小・周辺の地名は「段下」
1)倉知小敷地内北部分を東西に走る断状(傾斜地)帯が、「段下」全体を東西に連続
2)さらに西側隣接の「巾」地区に連続(倉知用水沿)
地名「巾」 (地名説明によれば、巾;崖・傾斜地・土手の斜面・畦などの地形に付けられた)
3)50 年前断状帯(断層*)の真上にRC3 階を建設 (旧倉知小敷地=現倉知保育園敷地から移転)
4)倉知用水は下倉知北で濃尾地震(約130 年前/1891 年-明治24 年)の梅原断層と交差
5)倉知の歴史本「山野豊」によれば、(「段下」南沿から西に流れる)倉知用水は、濃尾地震により、
小屋名村が甚大被害を被り8割方水田灌水不能となり、曽代用水よりの引水を企図
6)参考 朝日新聞記事 2021.10.12 死者7 千人「濃尾地震」から130 年 内陸直下型地震はまた起こるか
https://www.asahi.com/articles/ASPBD2WFDPB4OIPE00C.html
(2)地震(主)断層からの派生断層、分岐断層、副断層 の可能性(推察)
1)倉知『段下』 – 地名と断層〈考察〉
2)倉知段下 現況写真 (段下周辺)
3)倉知段下 現況写真2 (段下西側、梅原断層該当部)
4)倉知段下 現況写真3 (段差、崖、倉知用水ほか)
(3)現状校舎の建つ場所は液状化マップ・グレーゾーン(液状化極めて低い)の端部(考察)
1)マップは巨大スケールグリッドなので、倉知小エリアの実際の断状帯は反映できていない
2)断状(断層*)の直上は安全とは言えない(考察)
3)前提条件;現状エリア(断状*の上)に建替 は安全を十分考慮していない(考察)
4. 提案 [参考 資料4、5]
(1)南側グラウンドに、北側段差(断層*)から離隔をとり、低層建築を本設する
1)南側グラウンド地盤調査により、必要な補強や杭で建物の安全を確保する
2)木造を検討する (耐震・耐火技術の向上 費用は仮設校舎中止の一部※)
(2)メリット
1)SDGs
安全・安心(断状/断層*真上ではなく、安全補強された地盤)
岐阜県は最も木材に恵まれた県
地産地消、仮設校舎なし、でカーボンニュートラル、費用・工期削減に寄与する
2)機能/利便性
メイン機能=校舎・ふれあいセンター の南側配置(低層・ゆとり)と南側車アプローチ(安全・利便)
3)情操教育の空間
コモンスペース、木材利用の視覚触覚のあたたかく、やさしい空間確保(仮設中止費一部転用)
以上、PPP の事業性検討と並行して、今後長い将来利用者にとって一番大事な「安全な環境・建築、機能と情操の空 間イメージ」について基本的考え方をお伝えしました。近年深刻化が増す不登校問題や児童の心のケアなども、毎日通う 建築・空間の魅力や居場所、視覚触覚的イメージなどが大きく影響すると考えられています。共有し支え合うことの気持ち・意識は、都会狭小敷地における計画のような機能効率の建築からは育むことができません。個々の大切さが感じられ る楽しく豊かな建築空間により、”転入したい学校No.1” となるような計画を希望します。
資料1 倉知『段下』 – 地名と断層〈考察〉
倉知段下 現況写真1(段下周辺) 2(段下西側、梅原断層該当部) 3(段差、崖、倉知用水ほか)
資料2 土地改良前の耕地(倉知用水と段下)
参考3 倉知村・関村 論地絵図面(貞享5年1688 年)
参考4 雑誌「建築士」2024.11 木造建築物の推進に向けた最近の取組(国交省) 最近の建築分野における木材利用促進策について(林野庁)
参考5 雑誌「日経アーキテクチュア」2024.10-24 特集 公立学校の逆襲
進化する公立学校 標準設計から脱して在り方探る
1福岡 メディアコモンズ 本棚が並ぶ吹抜けの共用スペース DB/デザインビルド
2大阪 街のアイコン 4層吹抜けの大空間に本棚 メディアセンター・スペース
3東京 マンモス校 低層 「イエ」 居場所
4長野 NSD プロジェクト 標準設計を脱する学校づくり
2024.1112 NT 建築計画事務所
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参考 段下・濃尾地震関連資料
- 関市史|通史編 近世・近代・現代(平成11.2.26 関市教育委員会)
- 山野豊|倉知の土地改良史と倉知の歴史(昭和61.4.1 倉知土地改良編集委会)
- 関町土地宝典|岐阜県武儀郡 地番地積地目賃貸価格等級入図(昭和14.4 / 1939 帝国市町村地図刊行会)
- 濃尾地震写真資料集(昭和53.10.28 岐阜県歴史資料館)
- 岐阜県下震災景況|明治24年 濃尾震災報告書(平成3.8.20 岐阜県郷土資料研究協議会)
- 地域別災害年表事典|中部編(2022.11 日外アソシエーツ)
- 今もいきる、濃尾地震|マグニチュード8.0 日本最大の直下型地震(平成23.10 社団法人 中部建設協会)
- 濃尾地震と根尾谷断層帯|内陸最大地震と断層の諸性質(2002.3.31 村松郁栄 松田時彦 岡田篤正)
- 写真にみる濃尾震災 - 実態とその復興(1991.10.16 岐阜新聞社)
- 濃尾震誌(明治26.3.25 片山逸朗)
- 地震記(明治24.10.28 明治24.11.18 官報)
- 岐阜県の地名|日本歴史地名体系21 (1989.7.1 平凡社)













